
Cross-Reality Lifestyle: 物理空間とメタバースを統合する生活様式
IEEE Pervasive Computing 2025
物理空間とバーチャル空間での活動を同時に組み合わせる「クロスリアリティライフスタイル」を提案し、その可能性を示しました。従来の二項対立を超えた新しい生活様式として、活動の統合パターンを「拡張(Amplification)」「補完(Complementary)」「創発(Emergence)」の3軸で分析するACEキューブを導入しました。200以上の事例を分析することで、プラットフォーム設計や技術投資の優先順位付けに資する知見を提示し、日常生活における物理とメタバースの統合に向けた設計原則を提供しました。

MetaGadget: メタバースプラットフォームへのIoT統合を支援するフレームワーク
IEEE Pervasive Computing 2025, IEEE ISMAR 2024 Demo
商用メタバースプラットフォームとIoTデバイスを容易に接続するためのフレームワーク MetaGadget を提案しました。HTTPベースのイベントトリガーを採用することで常時接続を不要とし、開発者や教育現場での活用において技術的障壁を大幅に下げました。スマートホーム制御やカスタムデバイス統合を題材とした2つのワークショップを通じて有効性を検証し、複数ユーザによる同時操作や多空間連携など、バーチャルと物理を接続する新しい応用可能性を示しました。


MagicCraft: 自然言語入力によるメタバース向け動的3Dオブジェクト生成システム
IEEE Access 2025, IEEE VR 2025 Demo
自然言語プロンプトから動的でインタラクティブな3Dオブジェクトを生成し、メタバースに即時配置できるシステム MagicCraft を提案しました。画像生成から3Dモデル化、スケーリング、行動スクリプト付与までを統合し、専門知識を持たないユーザでも複雑なオブジェクトを作成できるフローを構築しました。cluster上での実装とユーザ実験を通じて、従来より短時間で制作が可能となり、コンテンツ制作の民主化に寄与することを示しました。

Smoothed Particle Hydrodynamics を用いた障害物非認識環境における群ロボットナビゲーション
Advanced Robotics 2025, IEEE IROS 2024
ロボットの環境センシング能力がなくとも、障害物を回避し目的の位置まで群ロボットを移動させるために、Indirect Collision DetectorおよびSmoothed Particle Hydrodynamics (SPH) による群ロボット制御手法を提案しました。本制御器ではロボットの位置と速度情報から間接的にロボットと障害物との接触点の検出を行います。そして、接触点からの反発およびSPH法による流体的な群フォーメーションにより、確実にかつ効率的な障害物の回避を可能としました。

ChromaGazer: 知覚できない色振動を利用した控えめな視覚ガイダンス手法
IEEE TVCG 2025 (IEEE VR 2025)
人の知覚に大きな違和感を与えずに視線を誘導できる、色振動を利用した控えめな視覚ガイダンス手法 ChromaGazer を提案しました。25Hz以上で高速に色を交互表示すると色振動を知覚できなくなる現象を活用し、ちらつきを意識させることなく注目領域へ視線を誘導できることを示しました。ユーザ実験では自然画像中で探索時間を短縮しつつシーンの自然さを保てることを確認し、広告提示や読書支援、AR作業補助などへの応用可能性を議論しました。

Micro Elastic Pouch Motors: 弾性変形可能な小型相転移アクチュエータ
IEEE RA-L 2021 (IEEE RoboSoft 2021)
Micro Elastic Pouch Motorsは、伸縮性のあるラテックスゴム製のパウチに低沸点液体を注入して作製される、小型でやわらかい相転移アクチュエータです。低沸点液体の温度が34 ˚Cになると、パウチ内の液体が気化することで全体が膨張し、駆動します。提案した製造方法により、薄いゴム膜で直径約5 mmと小型のパウチを作製可能で、また、パウチは初期体積の86倍以上に膨らむことで最大約20 Nの力を発生させることができます。

CoVR: HMD視点映像のプロジェクタ投影によるVR体験共有システム
ACM SIGGRAPH Asia 2020 ETech
HMDを装着しているユーザと、装着していないユーザの間でVR体験を共有することは、その体験ギャップを埋めるための有望なアプローチです。そこで、HMDにフォーカスフリーなレーザプロジェクタを搭載したHMDデバイスを用いて、HMD装着ユーザと非装着ユーザ間でユーザー視点の画像を投影して共有するシステム、CoVRを提案しました。それぞれのユーザに提示される画像に付加情報を加えて、視点と遠近感を考慮した画像を表示する設計手法を紹介し、その応用例を示しました。